多目的遊水地と流域センターを世界銀行が評価

A cover of guidebook "cities and flooding". 画像引用元:GFDRR(世界銀行防災グローバル・ファシリティ)Webサイト

A cover of guidebook "cities and flooding". 画像引用元:GFDRR(世界銀行防災グローバル・ファシリティ)Webサイト

3月8日、読売新聞「論点」欄に、「東アジア水害対策急務」というタイトルの記事がありました。著者は世界銀行東アジア・大洋州地域総局副総裁パメラ・コックス氏。地球温暖化をふまえ東アジアの水害危機を重視する世銀が、「都市と水害」をテーマとした冊子を発行したとの内容なのですが、そこに鶴見川の総合治水・多目的遊水地への高い評価が記されていたのです。

早速背景をチェックすると驚きの評価がみえてきました。世銀が作成したのは、「都市と洪水:21世紀にむけた統合的な都市水害リスクマネジメントのためのガイド」(2012年2月13日)という英文638pの大文書。その文中に、<新横浜多目的遊水地>と<インフォーメーションセンター(流域センター)>への高評価をともなう総合治水紹介が、2ページにわたって記されていました。同時に発行された「政策立案者むけのサマリー」(英文45p)には、将来にわたって水害被害がさらに多発し危険度が増すと考えられるアジアの人口稠密都市域では、<多目的遊水地>の設置が有効であり、同時に継続的に防災情報を発信できる情報センターが重要と明解に記されています。特に情報対応については、文書末尾に記された「統合的な都市水害リスクマネジメントのための12の原則」の第11原則に、「意識の向上をはかり備えを強化するために継続的な情報のやり取りが必須」とありました。「巨大災害の記憶は2世代で半減、激甚でない災害の記憶は3年で半減」というコメント付きです。

本年に入り流域センターは海外からの訪問が続きました(一般展示はもちろん水族館の人気も抜群だったと報告をうけています)。その背景には、実は世銀による上記の流域センター評価があったのかもしれませんね。アジアモンスーン地帯の日本国は、賢明な治水施策を積上げ先進産業国家として現代にいたりました。その成果は、温暖化危機に直面しつつ過密都市の健全経営をめざすモンスーンアジア諸国の見本となってしかるべきもの。まさにその見本として、<多目的遊水地>と<流域センター>がパッケージとして取り上げられ、輸出可能と示唆されたことに、アジア貢献を視野にいれた応答があって良いと思うのです。

npoTRネット代表理事 岸 由二

 

参考URL:
●世界銀行Webサイト
http://go.worldbank.org/YTUAU5L6H0
●GFDRR(防災グローバル・ファシリティ)Webサイト
http://www.gfdrr.org/gfdrr/urbanfloods

This entry was posted in オピニオン and tagged , . Bookmark the permalink.

Comments are closed.